
自然派バウビオロギー住宅(小田原)
「冬至の日の出が神棚を照らす家」
日本の伝統民家は、バウビオロギーの観点で最も先進的と言われる。
それは、自然の法則に則って作られ維持されているからに他ならない。
しかし、現在、その精神や技術・仕組みが顧みられることはほとんどない。
「バウビオロギー居住環境」より
バウビオロギー(BAU/BIO/LOGIE)
バウ(建築)ビオ(生命)ロゴス(論理)の造語で「建築生命学」のように訳されます。
ドイツ発祥の学問で、健康や環境に配慮した建築について考えることとし、25の指針に基づき建築設計されます。
25の指針は1、建築敷地 2、建材と遮音 3、居住環境 4、空間造形 5、環境・エネルギーから大枠され、さらに細かく分類していきます。
「そもそも人が住むべき敷地とは?」「心地よい空間とは?」「建材は?」「電磁波の影響は?」
「調和的なフォルムとは?」「エネルギーを最適に活用できている?」
持続可能で自然と調和した住まいとはどういうことだろう?
それらをひとつひとつ見ながら、建築設計していきます。
神社・仏閣に代表される社寺建築がすでに上記の項目を満たしていおります。
それが、伝統民家にまで落とし込まれ、ごくごく一般の方々が普通にそのような住宅に住んでおりました。
すでに日本の先人の方々は成し得ていました。
宮大工、職人、建築士、関わるあらゆる方々が高い技術や伝統文化を継承してくださっていました。
私たち日本人があたりまえのように感じる神観や自然観がそのまま住環境にも反映されていました。
神や自然に感謝し、自然からの恩恵を活用せていただき、持続可能な住環境を形成してました。
あたりまえ過ぎて、わざわざ言語することもなく皆が共有していた感覚なのだと思います。
バウビオロギーは、学問として体系化し言語化し統計をとり、みなさまにわかりやすく伝えてくださっています。
日本に本来ある高い叡智・技術・精神性とバウビオロギーの体系化された叡智と宅理学に基づく技術を結び合わせて、
現代の住宅に使いやすいようにアレンジしてご提案しています。

コンセプト
POINT1:天体の運行周期に合わせた窓配置
天体の運行に合わせて、太陽と月の光がいっぱいに入る窓の配置を意識しました。寝室と浴室に満月の光が入るようにしました。
和室を西南に設け、落ち着いた空間に配置。全室南に面した明るい住環境です。
POINT2:日常と非日常を動線でつなぐ
動線は回遊動線にして動きやすく、視界を遮らず、居室空間の熱効率が循環するようにしました。
居室空間と水まわり(雑多になりがちなキッチン、ユーティリティー、収納スペース)はハレとケを意識して区切りました。
デッドスペースを極力なくし、開放的でありながらプライベートゾーンも確保しました。
POINT3:熱効率とデザイン
玄関部分と居室空間の間に風除室的な役割をもつ空間を配置し、玄関と居室空間をひとつの扉で仕切っております。このため、玄関部分での冷気や暖気を遮断し、室内空間はエアコン一つで空調を整えられるように熱効率や空間全体の温度差が出ないように計算しています。外からのエネルギーをここで一度、整えて居室空間に入れるようにも配慮しています。
概要
構 造:木造瓦葺平屋建
敷 地 面 積:202.89㎡(61.37坪)
延 床 面 積:71.33㎡(21.58坪)
建 ぺ い 率:50%
容 積 率:100%
評 価 書:BELS低炭素認定住宅
構造材材木:天竜ドライシステム
月齢伐採天然葉枯乾燥木材
壁 :珪藻漆喰
屋 根:瓦
畳 :今福畳店
低農薬畳 泥染め 縁 天然染め
都 市 計 画:市街化調整区域
用 途 地 域:指定なし
法令上の制限:防火地域 法22条地域
設 計:一級建築士事務所 感共ラボの森
施 工:株式会社阿部建業
企 画:有限会社植竹建設
環境
自然の豊かな高台 150坪のゆったりとした敷地に2棟の平家を連棟しました。
南に一段下がって久野川が流れます。耳を澄ませば川のせせらぎや鳥の鳴き声、木々が風にゆられる音が聞こえます。
眼前は畑と山と空がひろがり開放感があります。
晴れの日には相模湾を望みます。眺望、日当良好。
かつ、小田原駅まで車で10分ほど。車で5分ほどのところにはイオンタウン建設予定があります。
伊豆・熱海方面へも、足柄・箱根方面への抜けれる道にも隣接し、町にも山にも海にもアクセス可能。
自然環境と利便性をほどよく両立した好立地です。
こだわりの素材と施工ポイント
持続可能で自然にも人にも優しい厳選素材を使用しています
土地選びや空間配置などのご紹介です

月齢伐採天然葉枯乾燥木材
天竜ドライシステム様より取り寄せました。
月齢に合わせ、冬季(9月~2月)の新月期のみに伐採された木材を天然葉枯らし乾燥させています。
新月期に伐採された木材は虫や水にも強く、ゆっくりと乾燥させることで、木材の割れやひび、くるいが少なくなります。香りも自然の優しい香りがします。
肌触りはとても優しくほのかに温かいです。
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床下調質(ゼオライト)
布基礎の湿気対策として、ゼオライトを敷きました。ゼオライトは東日本大震災の時に放射能汚染された大地の土壌改良や空間浄化にも使われています。調湿効果や防虫効果もあることから使用させていただきました。
個包装になっているので、扱いやすいと職人さんから好評でした。
個包装タイプのゼオライトを探してくださった現場責任者様にも感謝です。
その上に床用の断熱材を敷いていきます。

珪藻漆喰塗装
壁・天井は珪藻漆喰
呼吸する壁
調質にも優れ、気持ちのいい空間です。空気も浄化されます。
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木外壁
外壁断熱材(モイス)を使用し、木材の外壁にしています。
温かみもあり、自然塗装が美しいです。
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ユーティリティースペース
室内干しもできるユーティリティースペース。キッチンと浴室をつなぎ家事動線を意識しました。窓もあり明るく、風通しのよい空間です。煩雑になりがちな洗濯空間をすっきり整えています。大変好評です。

月あかりが射し込む浴室
満月の月明りが射し込む窓配置を意識しました。

冬至の光が射し込む神棚
冬至の光が射し込むように神棚を配置。ダイナミックな地球の運行を感じられます。
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畳(低農薬畳)
生産者が減ってしまっている低農薬畳を使用しました。泥染めの工程もふまえ、しっとりとしたゆたかな手触りと深みのあるお色味に仕上がります。
品格があって美しく香りも豊です。硬すぎず、柔らかすぎず、しっとりした手触りです。
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白アリ対策(ホウ酸噴霧)
白アリ対策としてホウ酸噴霧をしています。土台にはヒノキやヒバが良いといわれております。その理由は、木自体が湿気に強く、防虫効果を持っているためです。月齢伐採の檜を使わせていただいておりますので、さらに防虫効果は期待できますが、念のため、ホウ酸で保護します。目薬やうがい薬にも使われるホウ酸は、人体にも職人さんにも、木にも、自然にも優しいです。シロアリさんにも臭いで寄せ付けないようにしているので、住み分けをさせていただいております。
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和紙壁紙
収納、和室の天井は和紙の壁紙をあしらっています。
調質にも優れた環境に配慮した壁紙です。

地鎮祭と地場調整イヤシロチ
地鎮祭をして土地を鎮め、住まわせていただくことに感謝させていただきます。地場調整にはカグツチを使用しています。土地の八方と中心点にカグツチを埋めて地場調整しています。
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キッチンと胸高の収納
居室と高さのあるカウンターで仕切り、回遊動線で家事動線を確保しつつ、煩雑になりがちなキッチンを視界からはずしつつ、ダイニングと繋げて、景色を眺めたり、家族とのコミュニケーションもとれるようなゆるやかな空間にしています。
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月あかりや朝日が射し込む室内
朝日や月明りが射し込む窓配置。
プライバシーを保護しながら光を楽しめるブラインド
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室内と繋ぐウッドデッキ
ウッドデッキと居室をフラットにつなげることで空間の広がりを感じられます。物干しスペースや中間領域にもなり、精神的なゆとりも感じられます。
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瓦屋根
瓦屋根には重みのある安定感と深みがあります。年月を重ねても趣があります。調質にもすぐれております。
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断熱材(セルロースファイバー)
セルロースファイバー施工
セルロースファイバーは木質繊維で古紙からつくられています。
【効果】
★調湿効果:湿気を吸い取り、乾燥するときは放出します。結露を防止しし住宅を長持ちさせます。
★吸音効果:木質繊維ならではの無数の微細な空気胞を持ち、高い防音効果を発揮します。
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和障子
障子紙は種類も豊富です。
張り替えることで印象も変えられます
今回は麻和紙を選択しています。
優しい光が魅力の日本の英知です。
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布基礎
べた基礎が9割を占めていますが、天地人のエネルギーを切らないように、また、現在の建築基準法に合わせて、基礎をくり抜くように施工して布基礎にしました。
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月あかりが射し込む浴室
満月の月明りが射し込む窓配置を意識しました。
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雪見月見障子
朝日や月明りが射し込む窓配置。
プライバシーを保護しながら光を楽しめる雪見月見障子
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玄関(風除室を兼ね備える)
風除室を兼ねるように内扉を一枚入れています。
玄関は一番、暖気・寒気が通ります。
内扉を入れることで、室内の温度を保つようにしています。




